「あの人は何を言ってもわかってくれない」
そんなことを覚えたり、つい愚痴の一つも
出てきてしまうことって、一度や二度は経験
ありませんか?
こちらからすれば
何て強情なんだとか、融通が利かないとか
思ってしまいます。
…ここで、視点を少し移動させてみませんか?
そう、あなたが「絶対に受け入れたくない」ことを
押しつけてくる誰かとの会話を。
話は聴くかもしれませんが、
あまり受け入れる姿勢ではないかもしれませんし、
聞き流していたかもしれません。
あなたの言うことを分かってくれない
・・・言い換えれば、伝わらないというのは
相手が、あなたの話を聴く状態、準備が出来ていない
ということ。
丁度こんなたとえが近いかもしれません。
テレビの放送電波は、常に電波塔から
(東京で言えば東京スカイツリーから)常に飛んでいます。
しかし、あなたは電波が飛んでいるからといって
全てのチャンネルを見ているわけではなくて
テレビでチャンネルを合わせた番組だけを
見るわけです。
…伝えていることと、伝わることとは違います。
そして、見ていた番組が、つまらないとか、
不愉快だと思えば、すぐに別のチャンネルに変えたり
あるいは、テレビを消せば、相手は見ないことができます。
つまり、相手は何を聞くかと、誰の話を聴くかとを
いつでも選ぶことが出来るのです。
もし、あなたの主張が、
ただの押しつけであったとしたら
仮に、それがまさしく正論で、
多くの人から賛同されることであったとしても
聴く人がその人にとって、
「もう聴きたくない」と
思ってしまえば、伝わるどころか
聞く耳さえも持ってもらえない
ことになります。
それだと、相手にしっかりと伝えることなんか
わかってもらう(分からせる)ことなんか
出来ないじゃないか…。
確かに、こちらの話を茶化してしまう方も
いらっしゃるのは事実です。
ついつい、イライラして、怒鳴ってでも
“分から“せ”たい”という気持ちも浮かんできます。
しかし、相手に、
あなたの言うことを“聴いてみよう”と
思ってもらえない限り、あなたの伝えたいことを
放送するチャンネル、あなたの主張は
いつでも、切り換えて聴かないということが可能なのです。
相手に伝わらないからといって、
相手の反応を確認しないまま、“押しつけて”いた
としたら…
どんなに意見が異なったとしても
相手が話を聴く、状態に立ち戻ること
相手と“つながる”ことが、
結果として、相手にあなたの主張したいことが
伝わる土台となります。
ここで、一つ、ご提案です。
あなたが伝えたいことを、あなたの想いとして
「〔自分の主張〕が、あなたに取っても役に立つと、
私は確信しています。
もし、あなたにとって、有用であれば使ってもらえると
嬉しいです。」
いわゆる「私メッセージ」です。
あなたが「私は、こう思っている。」ということを伝える
コミュケーションです。(詳しくは、改めて)
そして、伝えたら相手の判断に一度は委ねる。
…人は、自分の選択の自由を奪われると
押しつけ感を覚えることが少なくありません。
押しつけられれば、反発したくなるのも
反応として起こりやすいモノです。
主張が、押しつけに変化する要因の一つと
なり得るタイミングです。
そして、あなたが真摯に、真剣に
「伝えたい」と思えば思うほど、
この「主張」が「押しつけ」との境界を
越えやすい・・・。
ってことです。
あなたの主張を相手にのませることが、
あなたが、議論に勝つことが、
ここで得たいコミュニケーションの結果でしょうか?
それを越えて、相手が
あなたの提案を含めた選択肢から
互いにとってより良い選択をして
互いに望ましい結果を手に入れることの方が
手に入れたいモノではありませんか?
「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」と言うように
伝えるには、押すだけではなかなか上手く行かないことがある。
そう、「押してダメなら、引いてみな」デスよね。
(初出 アメブロ“ひじま・まさき”のブログ 2015.1.20 一部改変)
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