Read Article

相手の“世界”をコミュニケーションから理解する

 相手の使っている言葉を知らなければ
    どんな素敵なメッセージも伝わらない

“いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひ
 たまひけるなかに、いとやむごとなき
 際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり”
          (紫式部 源氏物語「桐壺」)

 懐かしいと思われる方も、いらっしゃるかもしれませんね
 そうです。源氏物語の最初の部分です。
 日本語で書かれはいますが、よほど古文のお好きな方
 でなければ、すっと理解するのは、難しかったのでは
 ありませんかでしたか?

 想像してみてください。もし、仮にあなたが
 1000年前の日本に行ったとします。

 同じ日本で会っても、相手と意思疎通をするのに
 少々骨が折れそうだ。そんな感じがしませんか?

 少なくとも、私達はすでに1000年前の日本語と、
 私達が今使っている日本語とが異なることに
 気づいています。
 その”私達“の方が相手との違いを理解して、
 伝える工夫ができそうです。

 言葉の使い方に、相手の世界観が現れる

 私達には“クセ”があります。
 右利きの人が、無意識に何かを掴もうとするとき
 右手が出てしまうように、自分たちが
 使いやすい方法を半自動的に選ぶようになっています。
 
 そして、普段使う(選ぶ)言葉もまた、無意識的です。
 私達は使っている言葉の“クセ”は
 私達が特に気づきやすいものを表現しがちです。

 たとえば、この季節、
 澄んだ青空にポカポカした陽射しの日に、

  「あ〜一面の青空、気持ちいい」と言っている人と
  「あ〜ポカポカして、暖かい」と言っている人とでは
 
 少なくとも、最初に捉えた世界は異なっています。
 するとこんなコトに気づくことが出来ます。

  前者の方には、見えるものを伝えた方が
  最初に興味を持ってくれるでしょうし、

  後者の方には、身体の感じる感覚(温度や動き)を
  伝えた方が興味を引く可能性が高いと言うこと。

つまり、相手の興味を引きやすい感覚のクセがわかるわけです。
そして、この言葉の選び方は…無意識的ですから、
ご本人も気づいてないことが少なくありません。
しかし、“クセ”なので、自然に反応してしまうのです。

伝えている内容だけが、相手を知る要素ではなく
言葉の選び方からも、相手を知ることができます。

そして、相手のコトを知ることが出来れば、
それに合わせて、あなたの伝え方を工夫する
余地が生まれます。

 …英語しか分からない方に、日本語で話しかけ続ける
  様なことは、きっとなさらないでしょう。
  相手に伝わらないと気づいたら、最低でも義務教育や
  カタカナ英語で手に入れた英語を駆使してでも
  相手に伝わるように工夫するはずです。
 
日本語同士で話しているから、余計に“伝わっている”と
勘違いしがちなのですが、相手にとって微妙なところで
受け取りにくい言葉の使い方をしていたのかもしれません。

 言葉を選ぶのは誰だ。そう、あなた自身。

昨今、直接はなすこと以上に、
sns,メールを始めとした文章、言葉のみで
コミュニケーションや人間関係を維持している
状況が少なくありません。
現代社会、特にネット社会はより、
その言葉が私達を支配していると言えるのかもしれません。

この時代だからこそ、
私達は自分自身の言葉を
そして、相手の方の言葉をすこし、丁寧に扱ってみるのは
如何でしょうか。

 NLPでは言葉を、単なる記号、ラベルとして
 扱うのではなく、相手の世界観を通して表出される
 五感と語感の産物であると捉えます。

 NLP(神経言語プログラミング)は、
 文字通り“神経言語(言葉と脳との関係)”を扱う
 心(五感)と言葉の使い方の道具箱です。

あなたが使う言葉が、より相手に伝わるように
相手が使う言葉が、あなたにとって適切に受け取れるように
NLPの学びからも、あなたの心と言葉の活用法を
手に入れていただければ嬉しく思います。

そこで大切な事は、相手を尊重することはもちろん
自分自身(の想い)も尊重すること。

どちらかを抑えつけるのでは、上手くいくものも生きません。
私達のお伝えするNLPでは、その相互の尊重のベースとなる
自分自身の尊重、受容を基礎に、様々な
コミュニケーションと変化のスキルをお伝えしています。

(初出 メルマガ “心がイキイキする言葉のフレッシュサラダ”2014.11.14 一部改編)
http://nlpfield.jp/mailmag01/

URL :
TRACKBACK URL :

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Return Top